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2011年5月27日金曜日

『八日目の蝉』

≪あらすじ≫
「21年前、土砂降りの雨の中で起きた誘拐事件。犯人は父の愛人。誘拐されたのは私。私はその人を本当の母だと信じていた」
秋山恵理菜は生まれてすぐに父の不倫相手の野々宮希和子に誘拐された。恵理菜は希和子を本当の母だと信じていたが、4歳の時に希和子が逮捕される。恵理菜は実の両親のもとに戻るのだが、結局上手くいかず、自身も大学に入って父と似たような考えの男と不倫に走ってしまう。そんな時、彼女のアルバイト先に千草と名乗るジャーナリストが現れる。彼女は恵理菜に誘拐されていたときの様子を聞き出そうとする。徐々に記憶を辿っていく恵理菜は、やがて希和子との"親子関係"を思い出していく・・・。 ≫予告編
≪監督≫
成島出
≪キャスト≫
恵理菜 - 井上真央
野々宮希和子 - 永作博美
幼少時の恵理菜(薫) - 渡邉このみ
千草 - 小池栄子
岸田 - 劇団ひとり
秋山丈博 - 田中哲司
秋山恵津子 - 森口瑤子
沢田久美 - 市川実和子
沢田昌江 - 風吹ジュン
沢田雄三 - 平田満
エンゼル - 余貴美子
滝 - 田中泯


≪MY評価≫
満足度  :★★★★★
オススメ度:★★★★☆
感動:★★★★★
笑い:☆☆☆☆☆
後味:★★★☆☆
選曲:★★★★☆

≪こんな人におすすめ≫
・親子の愛情を強く感じたい人。
・泣きたい人。
・「蝉」って何て読むの?って人w



≪MY評価≫
八日目の蝉より井上真央と小池栄子満足度  :★★★★★
オススメ度:★★★★☆
感動:★★★★★
笑い:☆☆☆☆☆
後味:★★★☆☆
選曲:★★★★☆

【不自然な親子の中に芽生えた不自然な感情】

八日目の蝉より井上真央と劇団ひとり久々に映画館で号泣してしまった。親子ってのは何をもって定義されるんだろう。血縁関係だろうか?それはたぶん正しいのだろうけど、ある意味正解じゃないと思う。希和子に育てられた恵理菜は私から見ると紛れもなく希和子の娘だった。見てる側にそう思わせてしまう程、幸せな親子の様子をくどいくらい見せつけられたからかもしれないが、親子というのは血縁関係で決まるのではないのだろう。

それにしても、希和子と恵理菜が共に生き、だんだんと親子としての幸せな関係を築いていく様子が作品の半分くらいの時間を割いてじっくりと描かれているので、私は不自然なはずの2人の関係をまんまと受け入れてしまった。

だからこそ、その2人が引き裂かれたシーンは自然と涙が溢れてた。だって、どう見ても幸せな親子が非合理に別れさせられたようにしかみれなかったから…

八日目の蝉より永作博美と渡邉このみ
『その子はまだご飯を食べていません!よろしくお願いします。』

逮捕されてもなお、娘のことを気遣うこの一言を聞いて、あー本当の親子だったんだなって…そう思うと、親になれなかった(なってはいけないはずの)女が本当の母親になれたんだと実感すると同時に、親になるはずだった女(娘の体も心も奪われてしまった実の母親)がどうしようもなく、切なく感じられた。

設定上、本来であれば森口瑤子演じる秋山恵津子(恵理菜の実母)は重要な人物である。作中でも最初に登場するのは彼女だ。それなのに、その後の彼女の扱いは完全に脇役である。しかも、被害者であるはずの恵津子はときに悪役にも見えるくらいだった。これは、本来不自然である希和子と恵理子の関係をより正統化して、見ている人を感情移入させる為の手段だったのか、それとも設定からして不自然なこの作品を見ている人が最後までこの不自然さを抱えながら見れるようにする為だったのかわからないが、どちらにしても恵津子をこのように描いたのは正解だったように感じた。

全体的に暗い映画ではあるけど、心の奥底が温まる作品だった。最近の松竹はいい!!


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特に『人のセックスを笑うな』がおすすめ。永作博美のもう一つの代表作。

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